11月22日から25日の3日間、仙台市のオーエンス泉岳自然ふれあい館で開催された森のようちえん全国交流フォーラム2014in東北に参加してきました。
結論から言うと、
森のようちえんが他の分野とつながることで新しい価値がどんどん生まれていくぞ、
という森のようちえんの可能性を感じました。
それを強く感じたのが「森のようちえんと社会化」の分科会。
簡単に内容のレポートとそこでの気付きを合せながら共有します。
この分科会のファシリテーションは、小菅江美さん@森のようちえんてくてく。
森のようちえんの社会化って?
という問い掛けから始りました。
答えは様々。
- メジャーになる。お金が動く。
- 当たり前になる。価値観を変えて、選択の多様化。
- スタンダード
- 生活の一部になる(日常化)
- 行政が認める(国、県など)
と一様ではないです。
制度化が大事だという論調が会場からは強かった気がしますが、
社会化ってこれだよねって決めつけないで、
先の社会化に対するイメージの多様性を包括しつつ、社会化を進めていかないと、この森のようちえんの多様性が活かされないです。
社会化って?という問いの答えには、それが意味する意識のレベルが入り交じっていて、
目的、手段、プロセス、結果
を分ける必要があります。
そう考えると、制度化は、社会化が進んだ結果。
制度化を手段として、周りの人々を巻き込むことにも使えます。
社会化の壁・課題
森のわらべ多治見園の浅井さんのお話が、とても興味深かったです。
お母さん達は、森のようちえんで育てたい、森の中で解き放たれる子ども達の姿を見たいという純粋な気持ちで関わっていて、お母さん達は、社会化の必要性を強く感じていない。
これは、社会化の壁・課題でもあるが、でも、我が子は、全ての子どもの一人。我が子から変わっていく可能性を信じている。
森のようちえんの大切な部分をちゃんと実感を伴いながら広がることが大切です。
共通した内容で、社会化って?の答えで、とても共感できたのは、
「プログラムとしてではなく、「信念」として、多くの共感を得る」
という部分。
根本的な子どもたちの育ちに対する理念はつながっているはずなので、それぞれの共通点と違いを確認する場として、今回のフォーラムはとても大切です。
もう一つは、森と風のがっこうの吉成さんが発言されていた、
「豊かな子育ち連合といった大きな革袋」
森のようちえんに関わっていなくても、児童館や子育て支援センターなど子どもの育ちの部分で共感できる人たちでつながっていく様なイメージです。→詳しくは吉成さんのブログを
私ができる社会化って何?
最後に、社会化を進める上で、私にできることを考えました。
集まったグループは、森のようちえんの可能性を活かす上で以下の視点で考えました。
- 保育、教育以外の部分で関わる(ツーリズム(観光協会)、防災など)
- 他の業種、業態と組む
出てきたアイデアは、
- 森のようちえん合宿
- 指導者、保育者研修
- マーケティングの場として
- お母さんコミュニティ
- 高齢者福祉、自治会、町内会
- アート・野外フェス
- 企業の保養所、研修
などなど
僕自身は、今年度からイベント型で実際にやってみての実感から、自分ができる具体的な社会化を考えると、
- 地域の理解、支援の獲得
- 地域にひらいていく
を進めること。
初日の事例発表では、森のようちえんを地域にひらいていく上で、
森のようちえん×○○
が大切で、○○に地域の様々な資源をいれることで、地域とつながっていくとお伝えしました。
(詳細はこちらの記事「森のようちえんと被災地の地域づくり〜事例発表」)
先のアイデアともつながります。森のようちえんに様々な要素を組み合わせていくと、森のようちえんも組み合わせた要素も価値が高まります。さらに、関わる人も増えて、社会化も進んでいきます。
一足飛びに、本当の社会化って進まないです。現場で理解を積み上げていくことが大切。しかし、子どもの成長は待ったなし。子ども達にとっては、1年1年が大切です。
現場で、コツコツ積み上げながら、今回の全国交流フォーラムがそれらをつないで、社会全体に広げていく。この両輪が必要です。
今回、フォーラムに参加した意義を強く感じた分科会でした。
スウェーデンでは、50年以上前から森のムッレ教室をやっています。
その積み重ねが、現在の環境先進国を地位を築いています。
参考ウェブサイト
森のようちえん全国ネットワーク
森のようちえん全国交流フォーラム2014in東北
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