ロケットストーブ(エコストーブ)とは、身近な資材で作れて、燃焼効率が良くて、調理にも暖房にも使える優れたストーブです。ロケットストーブ(エコストーブ)の作り方や仕組みなど、これまでの資料をまとめておきます。
震災後、ペール缶を使った調理用のストーブが一部で普及しましたが、暖房にも使えます。暖房に使う際には、煙道を横に長く伸ばせるので、煙道に土をかぶせて温かいベンチやベッドにもできます。これが気持ちいい。
作り方については、別の記事で写真付でちゃんと手順を分かるようにしたい。
ロケットストーブは、それまで一部のマニアにしか知られていませんでしたが、里山資本主義の中でもエコストーブとして登場して、かなり知名度も上がっているようです。
今年8月に、経済学を専攻するゼミの体験プログラムでロケットストーブづくりをしました。ストーブづくりをとても楽しみにしていると事前に聞いていて、当日理由を聞いたら里山資本主義の本を読んでいるとのこと。森づくりや環境問題だけではなく、これからの地域経済を考えるツールとしてもロケットストーブは使えますね。
ロケットストーブについては、こちらの本がオススメです。
ロケットストーブ(エコストーブ)とは
ロケットストーブの誕生の背景
1982年頃に米国で誕生
開発の目的:発展途上国の木質燃料利用の環境改善
(室内空気汚染、森林伐採問題、気候変動)
ロケットストーブの利用方法
- 調理
- 暖房
ロケットストーブの特徴
・自分で製作が可能(高価でない材料、特殊な技能不要)
・完全燃焼する(煙が少ない)
・煙突の自由度が高い(煙突を長く、低くできる)
・廃熱の有効活用(ベンチ・ベッドなどに蓄熱させて利用)
・燃料の自由度が高い(長いもの、小枝)
通常の薪ストーブとの比較
・完全燃焼しない(もったいない、ススがたまる)
・二次燃焼するストーブはとても高価
・排気の熱を利用できない
・1/3 ~ 1/6の燃料で済む
燃焼の仕組み
暖房タイプの燃焼の仕組みを以下に挙げておきます。調理用も基本は同じ。
燃焼トンネルで酸素と炎が混じり、ヒートライザーが高温になって、未燃焼のガスを燃やして、燃焼効率を上げます。
ロケットストーブ(エコストーブ)の作り方
作り方は、手書きの図を見て下さい。
必要な物品
- ペール缶×2(エンジンオイルが入っていたもの)
- 煙突(直径106mm)直型、エビ型、T型 各1ずつ
- バーミキュライトorパーライト(断熱材) 30Lぐらい
ホームセンターでそろって、資材費はだいたい2−3000円です。
ペール缶は、自動車整備工場やガソリンスタンドでもらえます。
断熱材は、燃えなければ何でもいいです。以前、灰がたくさんあったので、それを使ったこともあります。砂で代用したこともありますが、むちゃくちゃ重くなりますが、安定性抜群。砂を2−3cm入れて、それからバーミキュライトやパーライトを入れてもいいかもしれません。
気をつけなくてはいけないのは、バーミキュライトやパーライトが濡れていると断熱材の効果を果たさないです。ホームセンターで野外に置いてあるとぐっしょり濡れていることが多いです。
この説明図では、排気の穴をペール缶の横に開けていますが、レンガか何かを上に置いて隙間を空けて使う場合もあります。
ペール缶を切るには、金切りばさみ。最初に、釘などで穴を空けて、切ります。
上部の穴開けは、電動工具がないと厳しいので、ペール缶の上に金網を乗せて、その上で調理すると良いかと思います。
こちらの書籍ですが、森風やさんつなでお世話になっている美術家の小池さんが登場しています。
最初の写真の土のロケットストーブも小池さんを講師に招いてつくりました。
小池さんは、TLUDストーブもたくさんつくられていますが、TLUDストーブも奥が深い。燃焼効率はたぶんTLUDの方が上です。
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