この本とても良いです。
馬の持つ治療効果のすごさに驚いたのと同時に、
馬から学び成長する主人公と馬に支えられる家族の描写にとても感動しました。
(こちらの本の存在を教えてくれた元副市長の嶋田さんに感謝。)
全体は高校生科学オリンピックのノンフィクションですが、
一つの章でホースセラピーの素晴らしさが描かれています。
(写真/2014年5月。釜石市内の仮設園舎の幼稚園でのふれあい体験)
ホースセラピーとは〜馬に学び、馬に助けられる
主人公は、ホーニグ家のキャトリン。8歳の頃から馬の世話を任され、馬との関わりから学び成長していきます。
高校生になると地元の警官を対象にセラピーを始めます。多くの警官が自殺などの悲惨な現場に立ち会う中で心的外傷後ストレス障害に悩まされます。警官から始まったホースセラピーは、刑務所、老人養護施設、障害を持つ子どもたちの施設へと広がっていきます。
最終学年のサイエンス・フェアが近づいてくるころには、キャトリンの仮説がまちがいなく正しいと証す膨大なデータが集まっていた。ホース・セラピーによって血圧は目立って下がり、ストレスは軽減し、前向きな気持ちになる。こうしてみると、ホーニグ家がさまざまな苦難に打ちのめされながらも、そこから立ち直ることができたのも、十分な理由があってのことなのだ。
父ブルースは、難病を患っていますが、生き延びることができているのも、馬と関わっているおかげだと言います。
キャトリンと同じくブルースも、馬と話をすることに治療効果があることに気づいていた。
「これも馬の驚くべき力でね。とことん落ち込んでいるときに、たまったものを洗いざらいぶちまける。そうして愚痴をこぼしているときにも、馬はもっとなでてくれとつついてきて、こう言うんだ。うん、わかるよ。もちろん、聞いている。それはすごいね。もう一度、耳の後ろをなでてくれる? そんなことをしているうちに、気分がよくなっていくんだよ」
主人公のキャトリンも父ブルースも馬から学びながら、様々な苦難を馬と共に乗り越えていきます。
物語の世界にグイグイ引き込まれ、全米のサイエンス・フェアの審査のシーンでは、思わずキャトリンを応援する気持ちから手に汗握ってしまいました。(結果とその後の展開はぜひ本で)
馬ってすごいなぁ、て再実感。
しかも、高校生で科学的な検証も含めてここまでやってしまうことに驚くのと同時に、
本気になってやれば、やれないことはないのだと、勇気をもらいました。
ホースセラピー以外の章も面白いです。
好きなことを突き詰めることの大切さを教えられます。
釜石の馬プロジェクトについて、こちらの記事もぜひ
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