阪神・淡路大震災から20年と三陸の心の復興

復興まちづくり

今日で、阪神・淡路大震災から20年。
ニュースでも大きく取り上げられていましたが、改めて考えると阪神・淡路大震災の経験が東日本大震災にもつながっていると実感。

三陸沿岸とは、社会状況が当時とは違いますが、今後同じような課題に直面することもあります。

まず、NHKが実施したアンケートから
長期的に何が課題になるのか、解決のカギは何なのか、を読み解きます。

Kobe Sogo c035

20年経っても進まない心の復興

参考にしたのはこちら
阪神・淡路大震災 20年アンケート
NHK NEWS WEB あの日から20年「心の復興」は

阪神・淡路大震災では、約16兆円の復興事業が行われ、
兵庫県の総生産、観光客数は震災前の水準に戻りました。

しかし、アンケートからは、
心の復興が進んでいないのが読み取れます。

心の復興の実感の度合い(震災前を100として)
平均値 10年前68→今回79

約7人1人は、震災前の50以下
震災を思い出して眠れないこともあると回答 40%
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どうしたら心の復興が進むか?

心の復興のカギは、「人とのつながり」のようです。

「震災前からの友人・知人とのつきあい」についても尋ねています。「震災前と同じようにつきあえた」と答えた人の場合、心の復興の実感は平均で85でした。
その一方、「全くつきあえなくなった」と答えた人は平均58と暮らしの復興が長引く
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神戸市内で供給された災害公営住宅は約1万戸。
現在、入居者の65歳以上が50%越えて、孤独死が昨年40名となっています。
高齢化による、コミュニティの維持が課題になっています。

阪神・淡路大震災の復興と釜石市の課題

釜石でも震災で約4000世帯が被災。
現在も、仮設住宅に約2200世帯が入居しています。
仮設団地は、60箇所以上に分れ、元々の地区もバラバラになってしまっています。
今後、少しずつ復興公営住宅の入居が進んでいきます。市内で先に入居が始まった公営住宅では、なかなか自治会が立ち上がらないなど新しいコミュニティの構築が課題です。

<阪神大震災20年の教訓>行政主導 戻らぬ住民/(上)まちづくり/つながり再生を | 河北新報オンラインニュース
阪神の被災地は都市部とあって、ハードさえ整備すれば新住民の流入が期待できた。東北の沿岸部が同じような求心力を発揮するのは難しい。
「現行の復興施策には既存コミュニティー再生の視点が欠けている。被災者が要望を出し合うなどして地域の魅力を高め、少しでも流出を防ぐしかない」と宮定代表。住民主体のまちづくりに活路を求めた。

こちらにあるように、他の地域でもコミュニティの再生が課題となっています。

地域との関わりを増やすことが、心の復興を進める

釜援隊は、地域づくりに主体は「まち」ではなく「ひと」であるという基本理念の元で、
前向きに釜石の地域づくりに関わる人を増やしていくことをビジョンに掲げています。
これは、まさに心の復興に携わる部分です。

生活復興感が低い被災者はどのようなタイプか? – データ │ 復興の教科書
「人と人とのつながり」への関心や関与度が低い人は、
生活復興感が低いという傾向がある

地域活動への参加が多いほど復興感が高いという結果が示されています。

東日本大震災から20年後の2031年にどれだけ釜石の心の復興を進めることができるのか。地域の子ども達や住民の方々に寄り添いながら活動を続けていきます。

阪神・淡路大震災から東日本大震災の復興へ

阪神・淡路大震災のボランティアは約137万人。この年がボランティア元年といわれました。
その時の受け入れの仕組みなどの経験がその後の災害、中越地震等を経て、東日本大震災でも活かされました。

子どものケアについては、阪神・淡路大震災の調査結果から、震災直後よりも数年後にトラウマ反応などのケアが必要になってくると教えてくれています。

先ほどのNHKのアンケート結果や復興感の調査なども示唆に富んでいます。
過去の経験に学ぶことは重要ですね。

 

できますゼッケン 〜避難生活に助け合いを
こちらの本にも登場していますが、このできますゼッケンは阪神・淡路大震災の教訓から生まれたそうです。
デザインが加わることで経験や教訓が、自然と伝わるんですね。
今後、三陸でもこのような視点が必要になってくると感じています。

 

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